迷子

というわけで、迷いに迷っているうちに、僕はいつの間にかグーグルマップに漂流していました。
うぉぉ。
すげぇ!
世界中、あらゆる場所を鳥の視点から見ることができる。京都だろうとヒマラヤだろうとイラクだろうとガラパゴス諸島だろうと。縮尺は自由自在。衛星写真や航空写真を使っているようで、大陸を俯瞰できるサイズから、建物の形がわかるほど近いサイズまで、あらゆる場所をクリックしていくだけで見ることができます。
その昔、わしゃ教卓の下でひたすら地図帳を眺めているのが好きだった少年だったのですが、いい時代になったもんっすね。教卓の下じゃなくても地図を見れるなんて!(や、別に当時も教卓の下でずっと見ていたわけじゃないけど)


気づいたときには、世界の深みにどっぷりはまっていました。
なぜかキプロスの歴史をさかのぼっていたり(民族対立やら貧富の差が広がってたりやらで、南北統一できず大変らしいよ)。
サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島に思いをはせたり(かつて鯨油工場で栄えたみたいだけど、現在人口2人)
南鳥島を探してるうちに太平洋で迷子になったり(それっぽい島は発見したけど、名前が表示されない……ちなみに沖ノ鳥島は影も形も見えない)
スペイン人はすごかったり(広大な太平洋の中でどうやってあんなちっこい島を見つけたのだ)


なんだろう。
この気持ちは、例えば「RPGで飛空艇とかを手に入れたあと」みたいな感じでしょうか。
とにかく怪しい島に下りてみたくなりません?
山に囲まれた土地を調べてみたりなりません?
もしかしたら珍しいモンスターがいるかもしれない。
あるいは隠しダンジョンが見つかるかもしれない。
そういうわくわく感が、地図の上にはあふれまくりです。


あぁ。
四畳半のこの部屋の向こうに、この広大な世界が広がっているんですね。
しみじみ。
なんか、歴史の中でも、世界の上でも――横にも縦にも迷子きわまって、ただただ世界の広さを感じまくる25歳。人生もちょっと見失いかけてます。