『刀語3』

刀語 第三話 千刀・ツルギ

刀語 第三話 千刀・ツルギ

なるほど。素直にカナ表記にしたのか、アマゾン。
ツルギの字、「金殺」と金偏に殺と書いてツルギと読ませるのですが、パソコンじゃ表記できないみたいで。
で。感想ですが。ああ、なんか面倒くさくなったのでネタバレしまくってみます(え)
以下、ご注意を〜。


しかし、やはり値段に対して物足りなさが募るなぁ……。
ふと思ったけれど、刀というのは、刀の範疇で描くとしたら、モチーフとして地味なのかもしれない*1
今回の、ツルギという刀。一刀で千刀、と言われている刀なのですが、その実体は……まったく同じ作りの刀が千本、というだけですから。地味。とにかく地味。ていうか、そのまんま?
「手作業で作り出す刀がまったく同じになることなどありえない。しかし、それを千本も作ったのだ!」と説明されれば「はぁ、それはまあ、たしかにすごいかもしれないけど……」とは思うけど、全身を震わせて「SUGEEEE!]と叫ぶほどでもなし。そして僕らは後者を望んでいる。
なんというか、刀のスペックが我々の想像の範疇なんですよね。ものすごく硬い。ものすごく斬れる。同じ刀がたくさん。そこにアイディア的驚きがない。
むしろ、使い手の扱う流派、千刀流のほうがすごそうだと感じましたが。戦場の刀はすべて自分のものとして使えるがゆえに千刀流、というのはハッタリが効いてると思う。
これは、前回までも共通した傾向としてありましたが。
斬刀の「あらゆるものを切れる刀」という能力そのものよりも、その使い手の「光を超える速度の斬撃」のほうが明らかにすごく感じる。
これは刀の話でなくて、その刀の使い手の話なんじゃないかなぁ、と思いつつ。
刀のスペックも、あえて地味にしているのかもしれない。メインはその使い手で、刀が主役ではないから。
その構図が見えて、ちょっとがっかりな気分であります。はぁ。


あ。
一発芸ですが、「金殺」の字を本当に1000個並べるのは、素直に驚きました。うん、バカだ。数えた俺もバカだが。こういう手法はブライトライツホーリーランドとかでも見てるから二番煎じの感がぬぐえないですが、でもひとつの効果的な見せ方ですよね。でもインパクトからすれば、見開きすべてがその字で埋まる、としたほうがいいかなと思ったのですが――でもよく見たらこれはこれでいいのかも。158〜159ページを見て、なんとなく納得。うまく言えないけど。
でも三ページくらいで済むのだから、1000って意外と少ないんですね。

*1:だから斬魄刀は開放される