『夏への扉』

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

にゃんにゃんごろにゃーん♪


いわゆる古典SFでしょうか。
なんか、オールタイムベストに選ばれながらも、コアなSFファンからは「えー?」とか思われている作品。ロバート・A・ハインラインだったんですね。まあ、名前しか知らないですが(著者の作品リストを見て、月は無慈悲な夜の女王もこの人の作品だと知ったし。SF耳年増)。
一般には広く支持されてその道の人からは眉をしかめられる――なんとなく「世界の中心で愛を叫ぶ」とか、そういう感じかなぁ、と思っていたんですが。
いやいや、普通におもしろいじゃないですか。
かなり読みやすかったですし。
コールドスリープもの(というくくりがあるかは知らないけど)です。とある事件に巻き込まれて、1970年から2000年にかけて冷凍睡眠してしまった技術者の男の話。三十年後の世界で、いとしの姪っ子(三十年前は十一歳)を探すのだけど、見つからない。それと平行して、自分の発明が、自分が消えたはずの三十年前に特許が自分の名前で取られているという謎を発見する――とか。
結局、その謎を追ううちに、最終的に、姪っ子とも劇的な再会を果たすわけですが。
まあ。
劇的は劇的だけど、その手段が、どうもあとだしジャンケンの感……一応、重力制御技術が実用化されてることが伏線と言えなくもないんだろうけど、わかんないよ。
おもしろいんですけどね。
終盤にかけて、伏線がどんどん回収されていく快感。そして、コールドスリープの別の使い道。ああ、なるほど! と膝を打つ、これがセンスオブワンダーってやつでしょうか?