『魔王は死んだ』

精神的に崩壊して「魔王」を名乗るようになった少女が、ただの少女に戻る話。


美少女・倉山由岐はいじめに耐えかねてキレる。クラスで暴れ、たまたま目があった主人公と自分をいじめていた委員長を陥れ、自分はどこかへと失踪してしまう。それ以後、学校で不可思議な現象が起こるようになった。それは由岐のいたずらだと言うものがほとんどだったが、彼女の怨念が起こした呪いだとまことしやかにささやく者もいた。
暇な人間が由岐の行方を探し始めた。いたずらにしても呪いにしても、学校の近くに潜んでいると予想されたのだ。と、主人公はたまたま彼女が旧校舎に潜んでいるのを見つけてしまう。彼女は豹変していた。旧校舎に結界を張ったとか、電波なことを言うようになっていた。だけど教室で巻き込んだ主人公はその結界を通りぬけてしまったらしい。彼女は結界が張ってあるらしい旧校舎から出られなかったので、主人公に食料の調達などを命じた。
旧校舎から火が出て、焼け落ちる。それは旧校舎に由岐が潜んでいるという噂を信じこんだ委員長が火をつけたからだ。由岐は焼け出される。彼女は城を失い、絶対的な魔王からただの無力な少女となる。警察に連れていかれそうになる由岐を見て、主人公は立ち上がる。彼女がただの少女になったのと同じく、彼もただの少年となった。男がやるべきことはひとつ。由岐を助け、そのまま逃げ出す。
逃げ込んだ廃墟の中で、由岐は本当に死ぬことを提案する。擬似的な精神的な死でなく、生命の幕引き。しかし、主人公はもう彼女の言いなりではなかった。彼女はただの少女で、主人公もただの少年。美しく死にたがる彼女を抱く。自分はただの女であることを無理やり教えられた由岐は、現実に生きることを定められてしまった。


〇発端
・いじめで精神が限界に達した由岐、教室で「死」を宣言する。
・「道連れにしてやる」と、目があった主人公にキスをする。が、それはゴキブリを口移しにしただけだった。
・自分をいじめていた委員長の服を切り裂き、その写真を彼女の携帯で撮影、メモリに登録された全員に送ることをする。
・そのまま由岐は失踪。ゴキブリを食わされた主人公はいじめられるようになり、委員長は学校にこなくなった。


〇再会
・学校では怪現象が起こるようになった。
・教室にいられなくなった主人公、旧校舎に訪れる。
・そこで由岐と再会する。結界を張っていたのに、と驚く由岐。が、すぐに主人公を道連れにしたことが原因だと納得する。
・彼を使い魔と称して、自分の世話をさせる。
・早い話がパシリだが、それを受け入れる。


〇兆し
・頻繁に旧校舎に出入りする主人公。
・委員長、それを尾行する。
・見つかりかけたところを、由岐と隠れてやり過ごそうとする。
・狭い空間に密着してドキドキ。


〇炎上
・旧校舎が燃える。
・由岐を発見できずなりふり構わなくなった委員長がつけたものだった。
・その騒ぎの中で、由岐が見つかる。
・すすだらけで泣きじゃくる彼女は、ただの少女だった。
・警察に捕まりそうになるところを、主人公が助ける。
・そのまま逃げる。


〇終焉
・廃墟に逃げ込む。
・まだ自分が絶対者たる魔王であるうちに死にたい、という由岐。
・主人公は彼女を抱くことで、彼女がただの女だと教える。



そんな話。
とにかく、黒く、どす黒く。終焉も、ただ現実に生きるというなんの希望もないラスト。
あと、エロく。
キーワードはエロスとタナトス


と、そんな勢いで書こうとしたけど。
途中で力尽きましたとさ……。