ちょっと前に買ったやつ。
第一線で活躍するラノベ作家のインタビューや、乙一の書き下ろし短編、さらにはそのメイキングなんかが載っていたりする。


乙一のメイキング? 天才の創作風景を見たところで、どうしようもねーよ! と思ったけど、プロ作家の製作過程を垣間見るという意味では参考になったかも。ちゃんと編集さんと相談して、文章を変更したりしてるんですね。我々とあまりやることは変わらない。


むしろ本当に興味深かったのは、他の作家の人たちのインタビューですが。
特に都市シリーズ・終わりのクロニクルシリーズの川上稔さんがすごい。
「十九歳の夏に原稿用紙で1000枚の小説が書けるか試してみた。やってみたら一ヶ月で1200枚書けてしまった」
「『終わりのクロニクル』は、これ*1を八回繰り返した」
「昔はプロットの練りが足らず、見通しが甘かったため、『閉鎖都市 巴里』など十一回書き直してしまった」
「今の読者*2にとって、俺たちが敵として存在できていることを願います。」
 

強すぎます。
でも、そうだよなぁ。こういう『敵』がゴロゴロいる世界に、俺は行くんだよなぁ。
むしろこれくらいの努力を『当然』だと受け止めるべきだ。そう、最低でもこれくらいのことをしないのに、「なかなか力が上がらない」だの「デビューできない」だの、言っていられないということであります。
うがー。


それはそうと、清水マリコさんのインタビューも、別の意味で興味深かった。
もともと演劇の脚本から入った人で、だからキャラを描くときも役者のことを考えて作るとか。
役者はストーリーは完全に演出に任せて、自分の役にだけ入りこむ。だから自分の役の運命を気にする。だから、あまりにぞんざいな扱いはできなくなった、と。
なるほど。
キャラを、役者という存在を介して理解する。これは、いい感じかもしれない。
ちょっと工夫の方向性が見えました。


あと、「美少女は、女性からは嫉妬、男性からは誤解の集中烽火を浴びていて、鬱屈したものを抱えている」というのを見て、一瞬で作品が降りてきたのですが(笑)
本当は今日、一日だけでその話を書き上げて投稿してしまおうとしたのだけど……これは失敗でした。うーむ。悔しいのでプロットだけ載せてみよう。多分もう書かないけど。

*1:プロットを一から作り直すことを

*2:この本の読者。つまり作家志望者