サクラダリセット

乙一がべた褒めしている帯に引かれて、とりあえず買ってみた本。
異能力者ばかりの街で、三日前に時間を戻せるヒロインと主人公のコンビがなんか問題を解決する、という感じの話。
普通におもしろかった。
ただ、それとは別に個人的に気になった部分。
どうも作品の雰囲気というか、ニオイ? とにかく特定しがたい既視感を覚えました。
考えてみたら、なんとなく、西鶴さんの話の雰囲気に似てる気が。
どこがといわれると特定に困るけれど。なんだろう。透明すぎて逆にうそ臭い感じというか。背景に何も見えない感じというか。別に両者の作品が、うそ臭いとか、描写が足りないとか、そういう意味ではないけれど。
例えば、主人公が猫使いの女の子と世界で一番優しい言葉について語り合うシーンとか、なんか、それっぽいモチーフではあると思う。


正直乙一は褒めすぎな気はするけれど、読む人が読めばはまると思う。
そういう意味では俺は微妙に味わい尽くせていない気はするけれど、それでも十分楽しめたので、よか。