バトルロワイアル

バトル・ロワイアル

バトル・ロワイアル

バトル・ロワイアル (1) (ヤングチャンピオンコミックス)

バトル・ロワイアル (1) (ヤングチャンピオンコミックス)

バトル・ロワイアル [DVD]

バトル・ロワイアル [DVD]

いまさらっちゃいまさらですが、初めて原作をちゃんと読みました。
映画、マンガとメディアミックスされてるこのバトロワですが、俺は映画→マンガと見て、そして今回ようやく原作を読んだという次第。少し変則的かも……。
そんなところで、以下ネタバレ感想。


まあ、普通におもしろかったですよ。
ただ「中学生がクラスメイト42人と殺し合いをする」というコンセプトそのものはたしかに奇抜なところではあったけれど、それ以降の物語の広げ方はむしろ基本に忠実で、素朴ですらある印象。
つまり、普通に、おもしろい。


とはいえ、個人的にはマンガ版がよかったかな、という気持ちもありますな。
原作が素朴であるがゆえに、マンガ版は、それをさらにワンランク上に押し上げて描いている感じがします。
一番それを感じるのは、拳法少年のエピソードでしょうか。
クラスメイトたちが殺し、逃げ惑い、あるいは隠れたりと必死になってる中、拳法の心得があるその少年は一人、片思いのクラスメイトを探し回るのです。
かくしてゲーム終盤、隠れていた少女とようやく出会うわけですが、原作ではおびえきった少女にあえなく撃たれてしまいます。臨終の間際に彼女に想いを伝えることだけはできますが、引っ張った割にはちょっとあっけない結末。
ですがマンガ版では、違います。
細かい経緯は忘れましたが(そして以下の記述も仔細は異なるかもしれませんが)、とにかく拳法少年は撃たれずにすみます。
再会し、語らう二人。
彼女は華道をたしなんでいて、空間の力を語ります。
そこに現れる、いまやキリングマシーンと化した無感情の天才少年。コインの裏表でこの殺戮ゲームに参加することを決めた彼は、マシンガンとその驚異的な才覚を武器に次々とクラスメイトを殺しまくっていたのでした。
拳法少年も、彼の恐るべき能力を認めています。自分では絶対に彼にはかなわない。戦ったところで、結局は殺される。
しかし、それでも愛する彼女を守るために立ち向かいます。
撃たれ、片目を失いながらも、彼女の語った「空間=虚の力」をイメージし、奥義を会得。その一撃を、天才少年に打ち込む。
勝った。
悪魔のような男を、倒すことができた。
そう思った瞬間、立ち上がる天才。
そして、拳法少年が死に物狂いになって、愛する彼女からヒントを得た末に編み出した奥義を、そっくりそのまま放ち返すのだった。
凡人の奇跡をあざ笑う、無慈悲なほどの才能!


いやはや。
燃えたね。
むしろ燃え尽きた。
そんなわけで、マンガ版は原作の一歩先にある印象なのです。
たぶん、シグルイの原作とマンガの関係も、こんな感じかと。
まあ、すでにあるものを踏襲して作るわけですから、言い換えればあとだしジャンケンのようなもの。あとから作ったほうがおもしろいにきまっている――といいたいけれど、往々にして、メディアミックスされたものって原作には及ばないものばかりな感じしますな……


ちなみに映画版も大学時代に見た記憶はあるのですが……あー。ほとんど覚えちゃいない。相馬光子とかって出てきてましたっけ? なんかたけしが作品そのものを食ってた印象しかないです。