サメ地獄

木曜洋画劇場でやってたやつ。


突如湖に現れたサメが人を襲い始める。同じころ、その湖で石油の発掘をしていたり、マフィアが捨てられた金を引き上げる計画があった。元凄腕の石油ハンター(?)だった主人公はなんやかんやと石油発掘を手伝うことになるが、サメに襲われたりマフィアたちと遭遇したり、えらいことになる。


みたいな感じ。
結局どんな話かって……どんな話なんだろ。
サメ地獄というタイトルからジョーズ的な展開かと思いきや、主人公が主に戦っていた相手はマフィアたち。で、マフィアに殺された仲間が湖に落とされ、サメの餌になると。
サメ地獄というか、次々とエサを投げ込まれるサメにとっては天国なんじゃないか。


まあ、タイトルから予想できたけど、B級ですよ!
しかしB級にはB級なりにやりたいこととか不器用なりのメッセージとか、何かしら見えてきそうなものだけど……何にもなかったなぁ。スリルのメインであろうサメはただの残飯処理係。水着ギャルや巨乳のヒロインなどお色気要素もあるが、あんまり強調されず。「いけ好かないボンボン」みたいなやつがいて、「ああ、こいつは中盤にサメに襲われたところで一人だけ裏切ったりしたところで、逆にサメに襲われる役回りだな」と予想していたら、マフィア相手にすごんで普通に撃ち殺されるだけだったり(陸で死んだのこの人だけかも)。「マフィア側の人間だけど実はいいやつっぽいサメハンター」みたいな人も出てくるのだけど。「ああ、こいつは途中まで主人公と対立するけど、最後には仲間になりそうだな」と思いきや、終盤に仲間に裏切られ普通にサメのエサに。途中も、ヒロインを襲うんだか助けるんだか善悪はっきりしない態度を繰り返したり、結局何のためにいたのかよくわからなかったり。
そもそも「石油発掘」「マフィア」「サメ」と関連ない要素が立ちすぎていて、筋立て的にも中途半端ではないか。
何より、サメがハリボテだったのが最大のマイナスではないかと。


と、あれこれ言ってますが、テレビに向かって突っ込みながらゲラゲラ笑うという意味ではおもしろかったのかも。
こういう中途半端な映画が海を渡って日本のお茶の間に流されるって、ちょっとした奇跡ですよね。アメリカの場末の映画館にとどまらず、俺の目にまでやってきたというのがもうすごい。見た俺もすごい。暇なのか? 暇なのか……。