ヴァージンスーサイズ

ヴァージン・スーサイズ [DVD]

ヴァージン・スーサイズ [DVD]

相方の薦めで見てみる。この人、マイナーな映画に通じてるところあるので俺としては新たな刺激になっていいのだけど、「多分、君にはつまらないだろうなぁ」とか言いながら見せてくるのはどうか。


内容は、少女の自殺に関する謎をめぐる話。
5人姉妹の末妹が自殺するところから物語は始まり、四女の恋を経て、やがて悲劇的結末へと向かっていきます。
その様子を近所の少年たちの視点から見てるのですね。
この少年たちが……なんだろうなあ。どの国も中学生は変わんないんだなぁ(苦笑)
少年のひとりが姉妹の一家の夕飯に呼ばれたとき。トイレを借りたときにあちこちを盗み見て回るんですが。洗面台においてあるリップクリームにドキドキする一方、棚に積んであった生理用品はスルー。ああ、まだ意味がわかってないんだな、と。
仲間と集まってノゾキに興じたり、あるいは女の子たちの噂話を語らったり。こいつらきっと伊集院光のラジオとか聞かせたら大好きになるに違いない。


そんな未熟な彼らの視点というのが、この作品の曖昧とした部分に影響してるのでしょうけど。
結局、最後に姉妹たちは全員自殺します。
四女が恋をし、朝帰りしてしまったことで母親は激怒、姉妹全員を家から出さないという状況になるのです。学校にも行かせない。かなり病的なのでしょうが、少年たちにできることといえば、大好きなロックバンドのレコードを捨てられてしまった姉妹たちのために電話越しに音楽を聞かせることくらい。
やがて、彼女たちと一緒に逃げる計画を起こし、それを実行しようとした日、少女たちはみんな死んでしまうのです。


結局、なぜ彼女たちが自殺したのかは謎のまま。
外堀から予測することはたやすいです。厳しすぎる教育から嫌になり死んだのだ、と。しかし、そうだと断言するにはわからないことが多すぎる。彼女たちに注目していたはずの少年たちでさえ、わからない。
そんな少年たちの無知と無力を感じた映画でした。


ま、女の子たちは普通にかわいかったけど。
25年前を舞台にしてて、「当時のイケメン」みたいな人はなんか笑えるけど、姉妹は普通によかったです。
監督もファッションのデザインとか店もやってるようで、かわいさの演出も光ってました。
あとどうでもいいけど、DVDについていた劇場版予告CMが、つまらないことこの上なし……つまらないというか、「ああ、この映画はいいや」と思わせるオーラに満ちている……ただ少年たちの妄想を描いただけの、下手をしたらコメディのようにも見える。
逆にいえば、ハリウッド的な目を引いてくるような作りじゃないんですけど。
そして案の定売れなかったらしい。