「やだぁ、苺大福の箱が落っこちてきて初恋の人が死んじゃった〜〜〜〜〜〜〜。やだぁ、やだぁ、ヘンな味〜〜〜〜〜〜。お豆腐のお味噌汁に、あんこを浮かべたみたい〜〜〜〜。ぐすっ、ひっく、マズいよ〜〜〜〜」


前日紹介したガガガのライトノベル本に、野村美月のインタビューもあった。
新井素子をよく読んでいたらしい。
なるほど、と思いました。
久美沙織ウェブ掲載コラムで「たんぽぽ*1」と形容された新井素子さんと、野村美月。いやはや、イメージがまっすぐにつながる。
卓球場シリーズをはじめ、野村さんの著作はちょこちょこ読んでますが、元気な女の子たちがいっぱい出てきて、そりゃあもうにぎやかったらありゃしない。男性作家が書く、ある種のいやらしさがない、女の子が書く女の子オブ女の子。まるまっこいイラストもあいまって、抱きしめたくなります。


そして、この作品。
本を主食にする文学少女が出てきます。
以上。(笑)


いやもうこの娘でおなかいっぱいです。
この文学少女天野遠子は実は本を食べる妖怪で、食事の代わりに物語の書かれた紙を食べるわけである。妖怪といっても本を食べる意外は普通の女子高生の文芸部員で、唯一の他の部員である主人公に「おなかすいたぁ」と三題噺を書くようにせっついてくるわけである。
冒頭に引用した台詞は、そんな強引な彼女にむっとした主人公が「苺大福」「初恋」「国会議事堂」の三題に対して「国会議事堂の前で初恋の人が、落ちてきた苺大福の箱に当たって死んでしまう話」を書いた結果。ちなみに彼女の好物は甘い甘いラブストーリーのようである。
そして、そのラブストーリー(リアルの恋バナ)が食べたいために校内で恋愛相談をはじめたのが事件の発端。
そこから太宰治の『人間失格』に絡んだ事件が起こるわけですが……まあ、ぶっちゃけどうでもいいです。僕は遠子先輩だけで十分です。こんな先輩がほしかった! いくらでもお話書いちゃいますよ!
まあ、僕が書くのはみょうちくりんな味ばかりのようですが……。


しかし。作中、先輩が服を一枚ずつ脱いでいくという(ちょっと強引な)展開があるのですが。もちろんそのシーンに挿絵がついているんですが。服を脱ぎかけている挿絵よりも、カラー口絵のところのほどけかけた三つ編みがエロいです。最高です。ほどけかけ! ほどけかけ!

*1:以下引用:『彼女の場合は、そーゆーいかにも危険じゃなさそうなタンポポに擬態して地球征服をもくろんでいるうちに、こどもたちに花冠に編まれたり、「ふー」とかされて綿毛飛ばされて、そこら飛び回ってるのが嬉しくなってしまって、なんかここでこうしているのっていいなぁと思ってしまって、それで当初の(地球征服という)目論見をもうどうでもいいやと思ってしまったエイリアンだ、というほうがアタリな気がしますが。』